【柿渋ってどんなもの?】
柿渋は、日本では平安時代から様々な用途で使われてきました。
代表的な用法としては、建築木材の下地や塗料、和傘や魚網の塗料、衣服の染料などです。
なぜ昔の人は柿渋をそれらに使ったのか?
それは昔の人は柿渋に防腐・防水・防虫・抗菌・消臭の効果があることを経験として知っていたんです。
現在は、柿渋の主成分である高分子タンニン(柿ポリフェノール)には 様々な効能がある事が知られています。
でも昔の人は生活の中で永い年月、淡々と意識することなく柿渋の効果を 受け継いできたんですね。
【柿渋タンニンで種々のウイルス成分を不活性化】
広島大学大学院の研究で柿渋が広い範囲の種々のウイルスを強力に不活化できることが解りました。
12種類のウイルスに対して効果を判定し、柿渋とそのほかの植物由来のタンニン7種類( 茶カテキン)との抗ウイルス能力の比較を行いました。
その結果、柿渋のみが調べた12種類すべてのウイルスに対して強い効果があることを示しました。
柿渋が唯一すべてのウイルスを完全に不活性化したのです。
茶カテキン、ワットルタンニンにも強い抗ウイルスの能力はありましたが、これらでは効果の出ないウイルスがありました。
研究グループではさらに柿渋の抗ウイルスの能力の作用機構を調べました。
それにより、ウイルス表面蛋白質に柿渋が結合しウイルスを不活性化していることが明らかになりました。
又古くなると着色化する柿渋について加速劣化試験を行い、2年間の保存に相当する劣化では、柿渋の抗ウイルス作用は失われないことが示されました。
これは、柿渋で染めたものも抗ウイルスの能力があるという事を示しています。
本研究成果は、平成25年1月25日発行の科学誌「PLoS ONE」に掲載されました。
【こちらから掲載分をご確認いただけます】
【藍・柿渋でお手持ちの布マスクを染め直し致します。】
藍・柿渋染めマスクの染め直しは、藍染めをした上から柿渋を3度染め重ね手間をかけて染めています。
藍にも防臭、保湿、抗菌などの効果があるといわれておりますが、何より柿渋にもそれ以上の抗菌、抗ウイルス、防臭効果があります。
今回はそれらを重ねて染めることにしました。
藍染めの縹色(はなだいろ)に柿渋の茶褐色を重ねた深い色合いになっています。
詳しくはこちら↓
柿渋タンニンで「ノロウイルス」に効果の有る消毒スプレーの作り方
冬の季節に流行する「ノロウイルス」に、柿渋に含まれる柿タンニンが効果を発揮します。
この柿タンニンを使った消毒液で、感染リスクを大きく低減する事が出来るんです。
柿渋液は、熟していない渋柿の果実を発行させて作られます。
この柿渋液の柿タンニンと消毒用アルコールの混合で、「ノロウイルス」に対して、
高い殺菌効果があり、なんと99%消失させるとも言われています。
ノロウイルスはたんなるアルコール消毒では撃退できないんです。
柿タンニン消毒液の作り方
作り方は、無臭柿渋濃縮液を使えば簡単に作る事が出来ます。
1 無臭柿渋濃縮液を消毒用アルコールで15倍に薄めてください。
これだけで消毒液を作る事が出来ます。
【注意点】
● 消毒用アルコール(エタノール)以外は絶対に使用しないで下さい。薬局で購入できます。
● 消毒後は水で十分に洗い流してください。
● 小さなお子様が間違って飲まないように、柿渋液・消毒液の保管には注意してください。
柿渋タンニン消毒液のスプレーで消毒しましょう!
● まな板などの調理器具
● 便座などのトイレの設備
● ドアノブなど手に触れるところ
最後にノロウイルス食中毒予防のポイントまとめ
● 手洗いの徹底(アルコール消毒)
● 食品の十分な加熱(85度以上で90秒の加熱)
● 調理器具の十分な洗浄消毒(消毒後は水洗いしてください)
● マスクの使用は効果絶大
以上のことは以前にNHKの【ためしてガッテン】で紹介されたようです。
これから流行する季節ですので十分にご注意下さい。
★ 自分で柿渋染めで染め直しをしてみたい方
貴久の【染めカフェ KIKYU】でどうぞ。
兵庫県丹波篠山市の河原町妻入り商家群にあります。
柿渋染め・草木染や藍染め・ベンガラ染め等の天然染料を使った染め体験が出来ます。
自分で染めたいものを持ち込んで頂いても良いので、是非ご利用ください。
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