鴇色(ときいろ)のこと
印度茜(いんどあかね)の根を煮出して染める色です。
媒染にはミョウバンを使用します。
茜は、同じ赤色に染まる紅花(べにはな)、蘇芳(すおう)のなかでももっとも古くから
使われてきた、人類最古の植物染料のひとつです。
「あかねさす…」という万葉集の歌がありますが、それは「日」「昼」「照る」などの
枕詞である事から、空の澄んだ日に、太陽が光り輝いて見えるような、赤にわずかに黄が
差し込んだような色を表しています。
秋の夕焼け空のように、壮大で、かつ繊細な色をしています。
朱鷺(とき)は全体に白い羽でおおわれた鳥ですが、翼の外縁の風切羽・尾羽などは淡紅色
をしています。鴇色(ときいろ)はこの激しすぎないくすんだ優しい色目を表現した色名です。
この記事へのコメントはありません。